EDDIE

アメイジング・スパイダーマン2のEDDIEのレビュー・感想・評価

4.4
ピーターとグウェンの煮え切らない関係、友達以上恋人未満?衝撃のラストに心の拠り所を求めるが、作品は間違いなく傑作。

スパイダーマンとして市民を救い続ける使命のため、そして亡くなったグウェンの父の幻影に悩まされる日々をきっかけに、最愛のグウェンとは恋人関係を解消。
そんな折、8年ぶりに再会した親友ハリー・オズボーンが、オズコープ社のCEOとしてニューヨークに帰ってきます。ここから物語が大きく動き出すマーク・ウェブ監督のシリーズ第2弾。

まずはジェイミー・フォックス演じるマックスに注目。友達もおらず、独り言でいつも自分を奮い立たせるマックスは、スパイダーマンに命を救われます。大勢の民衆の中の1人でしかない自分に手を伸ばしてくれたスパイダーマンに対して、愛情とも取れる強い執着を抱くようになります。
そして、彼の誕生日当日に事件が起こるのです。電気技師である彼は作業場での電気事故により還らぬ人に…。この事故を隠蔽したいオズコープ社はマックスという人物の存在さえ抹消。しかし、マックスは生きていたのです、エレクトロという電気を自由に扱えるヴィランとして。
いやぁ、限られた時間の中でもマックスからエレクトロに至るまでの背景をよく演出したなと。
普段注目などされたことのない彼は、ニューヨークのど真ん中でスパイダーマンとともに注目される存在に。しかし、応援されるスパイダーマンに対して、自身には罵声の嵐。ここからスパイダーマンに対する愛情が憎悪へと変わっていくのです。

正直本作のマイナスポイントはここです。エレクトロ単体でこれだけ魅力的なヴィランとして描けていたにも関わらず、ハリーをグリーンゴブリンとして登場させてしまいました。
もちろんグウェンの衝撃的なラストに繋げるには必要なポイントだったと思いますが、逆にハリーがグリーンゴブリンに至るまでが少々雑に感じられたのです。演じていたデイン・デハーンがハリー役を見事に演じていたことを考えると凄く勿体ないなと。

さらに最後の最後には序盤に登場したアレクセイ・シツェビッチをライノというヴィランとして登場させ、本作だけで3人のヴィランが出てきてしまうわけですね。
もちろん続編が作られるのであればあのラストも納得します。次は何が起こるんだ?どんな敵が出てくるんだとワクワクさせられます。
続編も予定があったようですが、結果は打ち切り。こんな思わせぶりなことさせられるとファンとしてはたまったもんじゃないですね。

ただラストシーンの以前スパイダーマンに救われた少年がスパイダースーツに身を纏い、スパイダーマンが登場するまでライノに対峙するというシーンは凄く良かったです。胸が熱くなる演出でした。

残念ながら続編は作られずじまいですが、本作自体は終盤の詰め込み感はあったものの大変面白かったです。
今後はまずトム・ホランドスパイダーマンに楽しませてもらうしかありませんね。
EDDIE

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