たりほssk

隠された日記 母たち、娘たちのたりほsskのレビュー・感想・評価

4.0
祖母・母・娘……三人の人生がオーバーラップしながら進んでいく。
祖母ルイーズのあまりに抑圧された生活に絶句してしまった。時代とはいえ主婦がここまで束縛されていたとは……このルイーズの苦しみが物語の発端となる。
そしてその娘となる母、マルティーヌはルイーズに捨てられた事に傷つき、苦悩しながら人生を送っている。次いで彼女の苦しみが、娘オドレイとの関係をギクシャクさせる。オドレイは祖母の失踪、母の苦しみの訳がわからず、不安な気持ちを抱えている。
この中で一番のポイントとなるのは、母マルティーヌの苦悩だと思う。祖母の失踪の訳(それはあまりに辛い事実だった)、本当はルイーズに愛されていたことがわかると、苦しみが氷解し、オドレイとの関係も安らかな解決に向かう。
それぞれが苦しみの人生を送って来たが、ルイーズの思いは娘、孫に伝わっていたことが希望を感じさせた。
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