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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのchaooonのレビュー・感想・評価

4.0
シャンタル・アケルマン映画祭にてデジタル・リマスター版を鑑賞!
ハシゴ鑑賞2本目🪜

夫に先立たれ1人息子を女手一つで育てるジャンヌ・ディエルマン。
主婦の淡々とした日常を映し出した200分😇
このくどいタイトルからして日常淡々系かな、と予想は何となくしていたけど、圧倒的何も起こらなさ!
ほぼ修行。観るものに鍛錬を課すような徹底した単調な家事の繰り返しと作業を見せる定点カメラの長回し🎥
とんでもなく大胆であり、とんでもなく繊細な映画。

だけど不思議と見入ってしまう何かがあり、どういうわけか見れちゃった200分。
この直前に観た『囚われの女』でウトウトしてしまったにも関わらず今作で寝なかったのが不思議😇
両隣の方は所々寝てたし、どこぞからおじさんのいびきが客席に響き渡っていたから、恐らくスレスレだろうな🤣

じゃがいもを剥くシーンでこんなに絶望感を感じたのは初めて🤣
ゆっくりゆっくり1個剥いた後に…3個残ってるじゃん🥔🥔🥔っていうwww
まだ動きのあるシーンはいいとして、完全に静止画のようなシーンもあったし。

このストレスや絶望感、倦怠感こそがジャンヌ自身が直面する感情そのものなんだろうな。

同じ繰り返しの中でもアングルを変えたり、ニュアンスを変えたり、被写体の動作諸々、もちろん洗練を重ねたものなんだろうけど、それ以上に観ている観客の集中力と感性を研ぎ澄ませてくるこの仕掛けが凄い!
1日目を終えた後の2日目の間違い探し。
違和感に敏感になっているのを感じたし、繰り返しの日常や家事を観続けたからこその、最後のリズムの狂い。

完璧な1日目のモデルケース。
ちょっと疲れが生じて来たのか、完璧さに狂いが生じてくる2日目。
そして不協和音がどっと押し寄せる3日目。

電気を小まめに付けたり消したり、隙間時間を有効活用したり。
常に無駄なくフル回転のジャンヌ。
日々の中で培ってきた完璧な家事のリズム。
予定が押しても変更は認めないところから完璧主義さも感じる。
だからこそ一つのボタンの掛け違いが全てを狂わせ決壊を招いたのかも。
崩壊って突然訪れるものなんだろうね。
何にしても限界値を迎えていたことは確か。

外から差し込む点滅する青い光。
不気味でどこか不安を煽るゾワゾワ感があったけど、それをきっちり最後に使ってくるの鳥肌。

1日目のスタートが朝からではなく、男性を家に迎え入れるシーンからなのも、心理的に飽きさせない絶妙なスパイスになっていたかな!

これは今まで描いてきた映画という概念を覆す静かな衝撃を受けた一本だったわ😳
これは確かに死ぬまでには観ておくべき凄い作品だとは感じた。
ヤバすぎる!!!!でも、もう2度と観たくない🤪

2本観て残りを観るか決めるつもりだったけど、他3作迷うなぁ…😇
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