ブタブタ

荒野のダッチワイフのブタブタのレビュー・感想・評価

荒野のダッチワイフ(1967年製作の映画)
4.8
別題『恐怖人形』
町の権力者ナカは攫われた恋人の奪還とさらった男の抹殺を殺し屋ショウに依頼する。
その相手はかつてショウの恋人を殺したナイフ使いの男コウだった。
『処女ゲバゲバ』『毛の生えた拳銃』『荒野のダッチワイフ』を勝手に「大和屋竺・前衛実験ハードボイルド三部作」と呼んでます。
首尾よくナイフ使いコウと一味を倒し、ナカの女の奪還に成功するショウ。
しかし帰ってきた事務所にナカの姿はなく、ここから現実と幻想が錯綜する世界に入っていく。
また再び冒頭の場面に戻りナカは「ショウは仕事をしくじった」と又新たな殺し屋に恋人の奪還を依頼する...
倒した筈のコウ一味に襲撃に受ける場面はストップモーションの動きをフィルムでなくだるまさんがころんだみたいに役者が動きで再現してたり、ショウの詩的なセリフ、幻想の中のショウとコウの延々と続く戦い、これまた前衛的実験映画であり、その不条理な世界は飛び抜けている。
時間と空間の混乱やドグラ・マグラ的堂々巡り『恐怖人形』のタイトル通りオチもシックスセンスやゾンゲリアを思わせ一連の前衛ピンク映画シリーズ(?)の中では最もホラー度が高い作品。
フィルムの保存状態が悪いのが残念。
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