こぅ

水のないプールのこぅのレビュー・感想・評価

水のないプール(1982年製作の映画)
4.4
若松孝二監督(初の一般向け)作品初鑑賞。

内田裕也主演【犯罪コメディ】。

タイトルや冒頭の正義感からは全く違った思わぬ(エロ)展開に。内容はこの時代だからこそ撮れた逸品だろぅ。
地下鉄職員の男(内田裕也)は孤独から犯罪、覚醒してハーレム、ついには安息を得る。

【タクシードライバー】を日本が料理した的⁈⁈ は言い過ぎか⁈いや、実際そんな崇高なものでは無く'79年長谷川監督のカルト作【太陽を盗んだ男】からの流れか、酷似している。ただ、あちらほどデカくもカッコ良くも重くも無く、犯罪は犯すがこじんまりしたコメディである。時代が変わっても冴えない日常の孤独や鬱憤から起こる憤り、反発は世界共通している。

水のないプールも印象的だった。

ミーを始めジュリー、原田芳雄、タモリ…次々と出てくる若かりし日の豪華、贅沢キャストも楽しめた。ヒロイン、中村れい子が綺麗。
大野のシンセ音楽は【チープ】だが合っている。


OPのぎこちない女の供述ナレーションがラストに収束。
結末もコメディらしく締めて好感。


「ジンジャーエールはジュースじゃねぇ!」
こぅ

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