キミシマユウキ

ある過去の行方のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ある過去の行方(2013年製作の映画)
3.6
4年前に別れた元妻と正式な離婚申請をするためにパリに戻ってきたイラン人アーマド。しかし長女が元妻の新しい恋人と馴染めていないことに気付き…

『セールスマン』『別離』の
!!アスガー・ファルハディ監督!!
によるフランス&イラン合作映画
ファルハディ監督作品にハマり中のため鑑賞。


   家族のあるべき形とは?


鑑賞三作目にして監督の作風というか常に挑もうとしているテーマがなんとなく理解出来た気がする。
彼は常に”夫婦”と”家族”についての物語だ。
日常の些細な出来事から始まる軋轢や溝などを通して彼らの絆を試しているよう。
今作もまさにそれ。
元夫がやってきたことで微妙なバランスで保っていた家族の関係地が崩れていく。
傷を忘れるため、かまってほしいため、気付いてほしいため、
それぞれの思惑をもった行いがすれ違いを生み、大きな事件に発展していく…
ただ日本じゃ見られない珍しい関係の家族なので感情移入は難しいかな?
あとファハルディ監督作品をとおしてイラン文化を学びたいというもう一つの隠れ目的が今作はパリが舞台なので果たせなかった(笑)

主演は知らんイラン人の方。
ストーリー的には完全に巻き込まれてるだけでかわいそうでした。
ヒロインは『アーティスト』にも出ていたベレニスベジョさんで美しかったです。
あと気付いたけど視聴した3作全てにババク・カルミさんという役者が出演していた。主人公の良き相談相手とか判事とか、みんな同じ顔してるなぁ~と思ってたら同じ人でした(笑)

3作見た中での衝撃度は真ん中くらいかな?
エンドロールの仕掛けは『別離』と同じだったので少し残念。
今後も彼の作品には注目していきたい!!

イラン人監督に興味のある方、家族題材映画が好きな方、そしえ隠れババクさんを見つけたい方にはオススメの作品。(隠れてないけど)