大統領官邸内にある厨房の舞台裏や、男社会の厨房で初の女性料理人として奮闘するオルタンスの姿や、出てくる料理がどれも日本ではあまり馴染みがないもののどれも華やかで美味しそうなところは、よーく描かれていたので、見ているだけで楽しく幸せな気分になれた。
ただ、オルタンスのプライベートや目指してるのかがよくわからないし、人生哲学にもほぼ触れてないから、あんまり感情移入できなかったというのが正直なところ。
それに加えて、物語は終始オルタンスの目線で描かれているので、主厨房のプロのシェフのことや、オルタンスの去った後がどうなったのかばっさりと省略されているから物語に厚みがあまりない。
題材としてはいいと思うんだけど、描き方をもう少し丁寧にした方がよかったかもしれない。もったいない作品だと思う。