Noppy

大統領の料理人のNoppyのレビュー・感想・評価

大統領の料理人(2012年製作の映画)
3.8
実話ベースの映画です。

フランス大統領官邸(エリゼ宮殿)で
史上初の女性シェフとして雇われたオルタンス。
元々は片田舎で小さなレストランを営んでいたのですが、いきなり大統領の希望により、大統領専属の料理人に抜擢されます。
理由は素朴な家庭料理を作って欲しいと。

大統領の希望に応える為、奮闘するオルタンス。
母が作るような温かい素朴な家庭料理を
次々と作っていきます。
料理シーンが秀逸です。
スクランブルエッグにセップ茸
サーモンとキャベツのファルシ
フォアグラの白ワインジュレ
エスカルゴのカスレット
魚とイカのスープ
どれもこれもよだれが出そう🤤

男性は料理をする時、きっちり計る方が多いと思いますが
おふくろの味ってのは大体が目分量なのです。感覚で作るような所あります。
オルタンスの作る料理は大統領のお気に入りとなり、絶大なる信頼を得ます。
そうなると更に喜んで貰おうと材料にもこだわり、より一層料理に励むオルタンス。
大統領がある日、直接厨房までオルタンスに会いに来ます。
ここで大統領に出したお料理が
フランスパンにトリュフをたっぷりのせた
シンプルなトースト(美味しそう〜😆)
これを食べた大統領の嬉しそうな顔。
日々闘っている大統領にとって
オルタンスの作る料理は心の平穏でもあったのでしょうね。

手作りの温かい家庭料理って情緒的にも大変重要だと思うのです。
私の母は長年、大学病院の看護師をしていたのですが
大変な勤務にもかかわらず
必ず手作りの食事を作ってくれていました。
夜勤であろうが準夜勤であろうが早出であろうが...
今思えば大変だっただろうな!
頭が下がります。
でもそれって、子どもを育てる上で大切な事だと思うのです。
手作りの温かい料理を食べると笑顔になりますもの。
パンやコンビニ弁当ばかり食べていると
やっぱり駄目な様な気がします。

話がそれました

奮闘するオルタンスですが
所詮、エリゼ宮殿は男社会。
嫉妬や、様々な妨害にあいます。
女性というだけで誰も認めようとしません。
また大統領の健康管理の為、メニューを制限されたり
経費カットの為、こだわりの食材も使えなくなります。
心身共に疲れ切ったオルタンスは2年で
退職することを選びました。

私は”逃げ”ではなく
これは”老い”だと思いました。
この仕事に愛情と情熱を注いでいたオルタンス。
もっと自分が若ければ!
この時の彼女にはもう闘う力も残っていなかったのだと思います。

派手なストーリー展開は無く
淡々と進むストーリー

ブラウスにスカート、それにハイヒールで料理を作っていたオルタンスが印象的。
料理をするならもっと動きやすい服装の方が効率的なのに
いつもお出かけする様なスタイルが
エリゼ宮殿で働いてるという
彼女のこだわりだったのだろうと思います。
Noppy

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