★ソマリア沖での海賊による襲撃。生還した船長の書記に基づくノンフィクション。
海賊たちと同じ立場だとしたら、自分も同じ行為をしているかもしれない。
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世の中は理不尽なことだらけ。最近は、買ったばかりのイヤフォンをなくした。他にも、グラウンドで行われていた少年野球の練習試合を通りすがりに見ていたら、コーチと思しきオッサンに「集中がキレるから見ないでくれ!」と怒られた。極めつけは、連日続く猛暑。暑すぎる。理不尽だ。
こうした理不尽な出来事は、イラつくだけだからまだいい。しかし、命の危険をもたらす理不尽も、この世にはたくさんある。
本作の主人公は、貧しいアフリカの地域に救援物資を送る船の船長。しかし渡航中に、そのアフリカ人である海賊に襲われ、人質となってしまう。
しかし海賊たちもまた、理不尽な仕打ちを受けて、生活に困窮していた。だから、やむなく海賊行為を行なっている。彼らは理不尽な世界で生きのびるために、仕方なく理不尽なことをしているのだった。
理不尽なことをされたら、「その相手は理不尽なことを誰かからされた可哀想な人」なのだと憐れむようにしたい。