上海十月

キャプテン・フィリップスの上海十月のレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
4.0
本作は一説には、キャプテンが無謀な航路をとり海賊に捕まったとアメリカの友人から聞いてどうかな?と思ったが、映画としては見事な映画でした。ソマリアで漁民が海賊になるところがあまり描かれていないが、マグロをメインに海外に元々輸出していた人々で欧州と台湾が乱獲して漁獲量が減り、政治的に無政府状態になり海賊となってしまったと。遠因として日本のマグロ輸入が関連しているのだ。回転すしのせいとまで言わないが、日本人も加担しているのだ。この映画を観ながら思い出すのは、サタジット・レイの「遠い雷鳴」だ。これも日本軍によるインパール作戦が遠因となって食糧難になる話だ。世界は、小さくなり様々な事が瞬時に影響する社会なのだと観ながら考えますね。しかし、海賊がタンカーのりこんでこれだけ見せられるとは思わなかった。監督であるポール・グリーングラスがドキュメント出身だからだろうか。息をもつかせぬ駆け引きが見事だ。特筆すべきは、トム・ハンクスと対等に渡り合ったバーカッド・アブディの演技が素晴らしくこれでアカデミーにもノミネート。彼自身ソマリア出身でアメリカで俳優と監督業をしていると。真実はどうであれ映画として正しく評価すべきですね。
上海十月

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