ほわいと

劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれのほわいとのレビュー・感想・評価

3.6
凄く評判が良かったし、終わる終わる詐欺が十八番のアニメ銀魂だからこそ、"完結篇"と銘打たれていた今作が気になったので鑑賞。

感想としては「面白い!けど…」といったところ。 
5年後が舞台というのがストーリーで大きな役割をしているんだけど…やっぱり「タイムトラベルを扱うって難しい!」ということを改めて思い知らされた作品だった。

やっぱり「銀魂」ギャグは面白い!こんなに映画館で笑ったのは初めてかもしれない。「劇場内も笑いで包まれていた」って表現使うの恥ずかしいんだけど、まさにその通りで、なんか温かかったよ!

始まってすぐ「No more 映画泥棒」のくだりが流れるんだけど、これは劇場で観た方が面白いに決まってる!しかも、ここでは「風立ちぬ」も豪快にパロってる。ただ、パロってる映画泥棒の映像は前のバージョン…製作途中で変わってしまったんだろうか、仕方ない。それに前のお姉さんが出ていたバージョンは映画館通っていた人の中では好評だったよね?…全くどうでもいいけど(笑)
この入りは凄く良いと思う、ただこの映画泥棒のくだり、すんごい長く感じた、と一緒に鑑賞した友達も笑っていたけど思ってたらしい。長いんだよ!ってツッコミはあるんだけど、その後も長い!なんのやりとりしてるのかよく分からなくなってくる。
この映画泥棒さん、予告編では登場してないのでサプライズになってるのかな?それと同時にこの映画での重要な鍵になっててビックリした。

神楽の鑑賞上の注意とかは面白かった、おそらく前回の紅桜公開の際になんらかの映画館にクレームがあったことを察すれる(笑)

あと5年後の登場人物たち!未来を描くとなると、やっぱり成長姿を見せるっていうのが一つのイベントみたいになってるし、この映画でやりたかったことの一つだったんだろうけども…銀魂のオールスターが集まってるから、登場人物多すぎて結局主要キャラ以外の見せ場や魅力が出し切れてないし、もっと見たかったなーという感じになってしまった。それは映画の限られた時間内では仕方なかっただろうし、完結篇だし、みんな出てきても全く不自然じゃないから…良いとしよう!でも予告編みてると物足りないレベルだった。劇中で少しだけ映るお通ちゃんの5年後は凄いことになってるんで注目。

本作のタイムトラベルの話をすると、あまりにも複雑。ラストはそこら辺がごちゃごちゃしてきちゃってた。まぁ良いやと流しちゃうんだけど、見終わった後によく分からなかったという声は聞こえた。
タイムトラベルを扱うということはその作品内でのタイムトラベルへの捉え方、設定を形成しなくてはいけないのでそこも製作側は面倒臭いんだろうなと思います。
この映画の場合はおそらくタイムパラドックスが起きない設定?パラレルワールド方式じゃないと思う。色んな分岐点があるんだけど、存在する世界は一つ!だから未来を変えても、その変化に順応する感じ。その方が分かりやすそう!と見せかけて、かなりややこしい!前の世界の記憶を保持してたりするんだもの!(笑)
タイムトラベルっていうのは現実には実現不可能な話で、どれが正解っていうのは無いから、その世界観でルールを作るしかない。だから面倒!そしてタイムパラドックスが起きてくる!

登場人物一人一人の時系列もよくわからくて、そこはどうなんだと思ったけど…それも仕方ないとしよう、するしかない!こういう話じゃないと完結篇はできないよね!

完全にシリアスなストーリーなんだけど、それは完結篇だからこそできるんだろうというとこまでは踏み込んでると思う。

まぁそんな完結篇なんだけど…"完結篇"っていうのが個人的には嫌だなーと思った。普通にファンとして続いて欲しいという思いだけ!(笑) 原作はまだ続いてるよ!あれだけ原作にこだわってたアニメが結局オリジナルで終わっちゃうのか!高杉との決着はまだ着いてないぞ!という感じ。

監督がインタビューで、アニメがまだ続いてると、結局「番外編」になっちゃうって話をしていて、完結篇っていうものに意味をもたらすならばやはり本当に完結させるっていう道しかなかったらしく、本当に終わらせるようだけど…まぁ全然これで完結しなくても問題はないので、それは今後どうなるか。

終盤の闘いは作画に力が入ってるのが伝わる。オープニング同様、攘夷戦争の描写は力入ってます!終盤の闘いには色々言いたいこともあるけど、いつもの銀魂だから、ツッコミどころがあっても別に気にしないです。

なんといってもラスト!終わり良ければ全て良しですよ!これが最高だった!当たり前だけど、これが一番重要な意味を持つものだと思う。これがあって、知ってる人も多いと思うけど、「あの曲」が流れて、胸が熱くなってしまった。これによって、銀魂の物語、銀さん達万屋、その周りにいる人達のくだらなかったりする日常が凄く意味あるものに感じるし、とても感動的だった。