けんぼー

死霊館のけんぼーのレビュー・感想・評価

死霊館(2013年製作の映画)
3.6
2021年鑑賞106本目。
「エンタメホラー」の決定版。雰囲気や画作り、エンターテイメント性の高さはさすがジェームズ・ワン。

死霊館ユニバース最新作がもうすぐ公開ということで、今まで見たことがなかった本ユニバース作品を最初から見ていこうと思い立ったわけですが。

まず、「事実に基づいている」という前提から言及したいのですが。
そういう前置き前提で鑑賞すると怖さは増すとは思うのですが、、、。裏を返すとその前提がないとまあまあの割合で怖さが減少する。
私は別に幽霊や悪魔を信じていないわけではないですし、むしろ人間の心理の中や実世界の中にも人間の理解を超えたところに「何か」が存在している可能性は高いと思っている方なのですが。

本作品の中のポルターガイスト的なものが事実としたらですよ?現代はこういう霊や悪魔がいなくなったってことなんですかね?
というのも、現代ではほとんどの人がスマホやらなんやら持っているわけだし、監視カメラ等もたくさんあるわけだから、こういう現象を撮影したものがもっともっと出てきても良いと思うんですよ。
この映画の時代に比べて霊が減ったとかならまだしも。
ですからこの映画の出来事をそのまま純度100%で事実だと考えるのはどうなんだろうって思いました。
「事実に基づいている」っていう前置きで少し盛っている感を感じてしまいましたね。。。
別に「事実」じゃなくても怖い作品はいくらでもあるわけだしね。

あと、日本とアメリカの「霊」に対する考え方の違いがやはり興味深いと思いました。
日本は「霊」を心理的なものと考えていて、アメリカは「モンスター」的に考えている節があるなあ、と。

Jホラーって「霊」という存在に登場人物が翻弄されて終わることがほとんどですけど、本作のようなアメリカ的ホラーは「霊」や「悪魔」と戦おうとしますよね。
日本的な考え方では霊は「内的な存在」であるが故にどうにもできなくて、多くの場合出会ったら死んでしまうか、何か対処ができたとしてもそれは「回避」であることが多いんですけど、アメリカ的には「外的な存在」として、実世界に確かに存在するからこそ倒すことができるものと考えてるんじゃないかなあと。

長くなっちゃいましたがそんなことを考えてしまいました笑。映画の内容的な感想はあまりなくてすみません。そのくらい、展開としては古典的なホラー作品って感じでした。

ただ、ジェームズ・ワン監督の雰囲気作り、画作りは素晴らしく、エンターテイメント性も高いので、Jホラーのような怖さが苦手な人でも楽しめる作品だと思います。
「呪怨」のようなどうしようもない怖さではなく、「対処できる怖さ」なので多くの人に受け入れられる「エンタメホラーの決定版」ではないでしょうか。

2021/9/1