マイホームを購入してから怪奇現象に悩まされ続けていた一家は、家に取り付く何者かが原因なのではないかと考え、心霊学者のウォーレン夫婦に調査を依頼する…というお話。
アイデア一発勝負みたいになっている最近のホラー界隈には珍しく、オカルト直球でクラシックな作りの映画。
デカイ文字で『The Conjuring』がズラズラと出てくるタイトルの無骨さに始まり、化け物とか血・内臓なんかではなく、ちょっとした違和感の積み重ねでジワジワと恐怖を与えてくるあたりは、古き良き正統派幽霊屋敷ものを蘇らせてやろうという気概すら感じられた。実際『死霊館』ユニバースはかなり成功してるみたいだし、この正統派な感じが逆に新鮮なのかもしれない。
ただ、本当に地味〜な積み重ねが続いて、物語自体があんまり動かないのでややダレる。怪奇現象が後々の展開に何か効いてくるかというとそうでもないので、ラストバトルも盛り上がりに欠ける感じが。『エクソシスト』レベルで命がけでやってる感じが欲しかったんだけど、いたいけな女の子が沢山いるので、酷いことにはならんのだろうなと思ってしまう。
やっぱりホラーには観客を突き放すような冷徹さが欲しくて、絶妙なメジャー臭のする今作がイマイチグッとこなかったのはそこかもしれない。
(2018.54)
