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死霊館のLEGIONのレビュー・感想・評価

死霊館(2013年製作の映画)
3.7
7人家族が越してきた一軒家で怪奇現象が日に日に起こり、ある夫妻に助けを求め、巣食う邪悪なものに立ち向かう物語。ただ怖がらせるだけのありがちなホラー作品ではなく内容の詰まったホラー作品で楽しむことができた。最初は心霊現象のような物や音で怖がらせるジャンルだが、ストーリーが進むにつれ霊の出現や存在の怖さへと転換していく。ホラーの怖さが変わるからストーリー、恐怖感に対する興奮度が落ちない。現象が起きる時間、憑依する相手、あざができる体の部位、動く家具。何故その時間、人、部位、物なのか。過去の事件から全てのことに納得がいく。実話ながらもファンタジー要素の強いこの作品は現実よりリアルに感じてしまった。
場面ごとの色々な描写がとても芸術的に感じた。手だけを映し拍手で火を消す。顔に白い布をかぶせ、吐いた血を布につける。お洒落というわけではないにしろ、淡い色のある怖さは悲しくも切ない。一家の恐怖に陥る感情を描くだけで怖さを表現するわけでなく、対峙しようとする夫妻(言ってしまえば怖さに慣れてる者)からの怖さも描かれるので一層に恐怖感が増した。霊からの悲しみも描かれるので人が引き起こしたという人間の怖さも感じることができた。
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