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ビリティスのemilyのレビュー・感想・評価

ビリティス(1977年製作の映画)
3.2
 寄宿学校の夏休み、父の知り合いの娘メリサの家で過ごすことになるビリティス。少女はメリサの大人の魅力に魅せられ、少女から大人へ一歩階段を登りはじめる。

揃いのブルーの制服を脱ぎ捨て裸体をさらけ出す少女達。木陰の間からカメラはそんな少女達を隠し撮りするように捉える。女同士、初めての男の子との淡い恋心を、浮遊感のある音楽と森の澄んだ景色の中で描き、常に危うさと透明感を縁取っている。

 少女が淡い恋に魅せられ、今度は大人の女性の魅力との狭間で、絵画のようなソフトフォーカスの色彩の中、メリッサとの何気ない日常を幻想感満載で綴っていく。健全なエロスの、包み込む様な色彩とは対照的な激しい性のぶつかり合いが異なる色彩を見せ、ビリティスの純度を際立たせる。どこまでもピュアで無垢で、”美しい物”として性の交わりもとらえる。思春期から大人へ移り変わる心情の変化には美しい物だけではない、醜い性の感情が必ず付いて回る。夏が終わり、外見は同じ彼女だが少し背筋が伸び女性らしくみえる・・・
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