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ある愛へと続く旅のchipのレビュー・感想・評価

ある愛へと続く旅(2012年製作の映画)
4.0
ずっと観たかったけれど
最寄りのレンタル屋さんに無くて配信も無くて…
忘れていたころにフォロワーさんのレビューを読んで
観たい気持ち再燃、
GEO宅配で見つけました~🙌

冒頭…
まず振り向いたペネロペに驚きました!
目じりのシワ、たるんだ肌と白髪…
老けメイクがすばらしい!
50代半ばくらい?
人生を振り返る彼女。。


1980年代のサラエボで
アメリカ人ディエゴと恋に落ちた、イタリア人ジェンマ、
邦題を見る限り…
そんなふたりの情熱的な愛の物語かと思っていた。
ところが…
ボスニアヘルツェゴビナ内戦が始まり、不透明な時代の中で
生まれた小さな命をめぐる深い物語がありました。


1984年の冬季オリンピックが開催されたサラエボ、
そのスタジアムが墓地になった。。。
1992年~1995年
空港も道路も塞がれ逃げ場のない市民たちが包囲されて
多くの一般市民が射殺された…
当時TVで聞いたショッキングなニュースを覚えています。
そして5年くらい前、NHK「旅のチカラ」という番組で
「ぼくたちは戦場で育った」という本の著者を訪ねて
翻訳者の角田光代さんがサラエボを訪れていました。
この紛争のときに子供だった人たちにインタビューもしていました。
仲良しの隣人同士が突然銃を向け合ったり、
友達が死んだり、
毎日が死と隣り合わせだったけれど…
飛んできた迫撃砲の破片を集めたり、戦争ごっこもした。。
平和って当たり前じゃない、
本当に幸せなことなんだ、って
強く思いました。。
この映画を観ていて、
そんなことを思い出しました。
父の車いすを押しながら銃撃された男性が映り
彼はU2が好きだったと声が入った時、
すごく悲しかった。。


サラエボのゴイコは…
辛いことがたくさんあったのに
おおらかに笑っていて頼りがいがあって、
本当にすばらしい人です。
彼の訛りの強い英語が好きです、
優しさが詰まっている。
ジェンマを見る彼の目にも優しさがいっぱい詰まっていました。
彼女の子ピエトロに厳しくサッカーをさせたのも
深い意味があったんですね。
あの時空港で、
ディエゴがパスポートを忘れたと言って手を振った…
彼の気持ちを思うと、
このシーンがとても切ない。。。


帰国後優しくしてくれた大尉を演じたのは
セルジオ・カステリット監督なんですね~
そして原作は監督の妻マルガレート・マッツァンティーニ、
ピエトロ役はお二人のお子さんだそうです。
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