イタリア人のジェンマとアメリカ人のカメラマンのディエゴ夫婦。子宝に恵まれず、養子を引き取った時にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が激化。ジェンマは子供と共に脱出を図るもディエゴが現地に残り、後に死亡したと知る。16年が経ち、ジェンマは旧友の誘いで息子と共に再びボスニアへ向かう。そこでを彼女は驚くべき事実を知る壮大なドラマ。
1組の夫婦の恋愛物語をベースに、不妊問題にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争という社会的な問題を背景に盛り込んだ内容。争いで愛する人と引き裂かれた運命や、その裏で巻き起こる戦争の現場での許されない現実。
密度が高くて129分があっという間。数十年間に渡る壮大なテーマでもっと長くして丁寧に描いても良かったという気がします。
本作の最大の魅力はやはりペネロペ・クルス。女子学生から子供を持って16年後まで幅広い年代を見事に演じ分け、流石だと思いました。
ラストにはなかなか衝撃的な結末も用意されています。日本で過ごしている人間には分からない当時のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の恐ろしさを改めて強く実感しました、