あらかじめ分かりきったラストまでどう見せるかが勝負な犯罪映画。麻薬組織のヤバい仕事に手を出した弁護士の顛末。行動原理がアホっぽくても人間ってアホだから仕方ないよね、という感じ。
起こっていることはシンプルだけに、淡々とピタゴラスイッチの機械的な動きとディテールを見ているような気分。悪の物理法則だなこれ。起こっていることは止められない。ファスベンダーの焦燥感と恐怖はよく描かれている。
キャメロン・ディアスが悪女役を好演。まあ、彼女が全部手回ししたという構図はちと単純化しすぎな嫌いがある。友人の弁護士が詩の引用をしつつ、死に直面させることによって人生を受け入れさせる件は面白いが、それすら彼にとっては他人事の片手間トークにすぎない残酷。
結構佳作だと思うんだが…。