ペイン

悪の法則のペインのレビュー・感想・評価

悪の法則(2013年製作の映画)
4.7
“セックス with a カー(車)”

劇中、キャメロン・ディアスが車とセックスする映画です。“カーセックス”ではなくあくまで“SEX WITH A CAR”です(笑)

というどうでもいい情報はさておき(笑)これはホントに傑作だと私は思っております。リドリー・スコット監督作でもトップクラスに。

といっても万人がストレートに面白い!と感じるタイプの映画じゃないし、こんなに高得点付けてる人は恐らくごく一部映画好き(リドリー・スコット信者)だけだと思います(笑)

我々が生きている世界、一見平穏に見えているような場所でも一皮むけば、ちょっとしたきっかけでとんでもない悪の歯車(法則)が見えないところで動き出すという恐ろしさを“淡々と”描いている。このあえて“見せない”“映さない”というリドリー・スコットの演出が素晴らしい。

脚本を書いた「ノーカントリー」のコーマック・マッカーシーと、冷徹な目線と演出力を持つリドリー・スコットの相性がとても良かったのだろう。その冷徹さは遺憾なく発揮されていて、ちょっとしたバイオレンス描写もリアルで容赦がない。血の出方とか…あのドピュっドピュって感じ…

“悪”の描き方も「ノーカントリー」ではある種、シガーという超越した存在に任せてファンタジックに描いていたが、本作はその辺りを“見えない何か”に任せて描いており、よりリアルで恐ろしい。

これだけの豪華スターを使ってこんな歪な映画を撮るとは…俳優陣も皆素晴らしく、特にキャメロン・ディアスと強烈なビジュアルのハビエル・バルデムの演技は素晴らしい。ファスベンダーは色気半端ない。

てなわけで一見地味な映画ではあるが、とにかく当代きってのスターが勢揃いなので画が持つ。やっぱり麻薬カルテルモノ(「ボーダーライン」とか「ブレイキングバッド」とか)は最高だなと思いました感想おわり。
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