流し見る分にはたしかに冗長な作品に思えますが、しっかり腰を据えて2度鑑賞してみてください。哲学的ではありますが非常に緻密に作り上げられた良作です。
"Counselor"は、作品中で唯一"悪の法則"を知らなかった、そして知ろうとしなかった人物だったのでしょうか。原題も良いですが、邦題もイカしてますね。
終盤で現れるヘフェ氏は、過ちを取り消す選択肢はすでに無く、その選択はずっと前から行われていたと言う。
前半の何の変哲もない会話劇の中で、たしかに主人公の選択は実行されているんですね…。
生半可な気持ちで足を踏み入れた先に待つ不条理な世界。欲にかまけて選択を見誤った"Counselor"が沼にハマっていく様を淡々と描くこの作品は、単なるクライムサスペンスとは大違いなわけです。