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ルパン三世 GREEN vs REDのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ルパン三世 GREEN vs RED(2008年製作の映画)
3.4
賛否両論が別れる(おそらく否定派の方が多いと思われる)今作。
個人的には割と高評価。
テレビシリーズや劇場版でなくOVAだからこそ作れた意欲作であり、問題作だと思う。

町中に様々なルパンが出没するという事件。
何者かが日本中で燻っている若者に、ルパンに生まれ変わりように促しルパンが増殖する。
ラーメン屋の店員ヤスオもルパンのジャケットとワルサーを手に入れルパンになる決意をする。
ルパンになり大それたことをしようとアイスキューブなるお宝盗難を試みるヤスオ。オリジナルのルパンを巻き込みお宝争奪戦が始まる。

この様々ルパンが冒頭で紹介されるのだが、歴代作品の色々なタッチのルパンのデザインが現れる。歴代作品を肯定とも否定とも取れる演出。
今作には没企画となった押井守版ルパン三世の再現という設もあるようだが、押井特有の“虚構”をテーマにした感じは確かに巧く表現してる。
大勢のルパンを量産させることにより、本物のルパンを消す。虚構を盗むという押井守版のコンセプトを現代流に再構築したのならかなりセンス良く作ったと思う。

日本は軍備の民間化が進んでおりお宝は人造プルトニウムだったりする。
日本の軍国化の法整備が進んでいたり、若者にチャンスがなく燻っているなど、割と昨今の社会情勢に対する先見性も見受けられる。

何より圧倒的に作画レベルが高いね。特に背景は京アニ作品や新海作品を思い浮かべるくらい凄い。

あと、関係ないが自分の名前も「ヤスオ」なので劇中で名前を連呼されるとその都度ドキッとする。もちろん山田康雄から来てるのだろうが(笑)
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