りっく

セインツ -約束の果て-のりっくのレビュー・感想・評価

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)
3.8
70年代アメリカンニューシネマを彷彿とさせる威風堂々とした佇まいと、テレンスマリックを連想させる詩的な映像センス、それでいてベタなクライムものを的確にストーリーテリングできるデヴィッドロウリーの才能が際立つ一作。

序盤から多くを説明しない大胆な省略や飛躍で作品のリズムを刻み、それでいて時が止まってしまった人々の物語を紡ぐ。黄金の野原というかつて共に見た理想郷、そして子供を授かったあの瞬間の感動。そこに還っていくからこそ悲劇的な結末を迎えるが、悲劇となる直前で切り上げる品の良さ含め、時間感覚の鋭さと編集力は目を見張るものがある。
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