すずき

アナと雪の女王のすずきのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
4.5
舞台は近世ヨーロッパ、架空の国であるアレンデール王国。
2人の王女エルサとアナは、仲の良い姉妹だった。
ある日、アナはエルサの生まれつき備わる氷の魔法の力を受けてしまい、死にかける。
王は妖精トロールに助けを求め、アナは助かるが、エルサの魔法に関する記憶を失ってしまう。
そしてエルサは、触れる物全てを凍らせる呪いの様な力を隠す為、城の扉を閉し部屋に篭ってしまう。
それから十数年経ち、成人したエルサの女王としての戴冠式。
エルサは力を抑えきれず暴走し、街を氷の国へ変えてしまう。
ショックを受けたエルサは城を飛び出し、遠く離れた雪山で孤独に暮らす事を決める。
だが姉を慕うアナは彼女を説得する為、雪山へと向かう…

ディズニー長編アニメーション第53作。
世界中で特大ヒットを飛ばした本作。
捻くれ者の私は当時、「どーせ唯の流行り物だろう、薄っぺらい恋愛とか家族とかの話だろう」と鷹を括って…とまでは言わないが、どこか冷めた目でいて(雪だけに)、本作を見る事は無かった。
しかしいざ見てみると…これは傑作や〜!
多分、「君の名は」「鬼滅の刃」も実際見てみたらこうなるんだろうな汗

絵もかなり良くて、氷の表現がキレイ!氷の城がキレイ!
んで氷のドレスに身を包んだエルサもカッコよくて、乙女心に刺さります。

そして乙女心と言えば、やっぱりロマンス。
今回主人公のアナに対して、ヒーローが2人存在する所も目新しかった。
片方は偶然アナと出会い、気の合う2人はそのまま恋に落ちて婚約までしちゃう、典型的な王子様的キャラクターのハンス。
もう片方は、エルサに会いに行く途中に出会ったワイルド系の山男(くさそう)、だけど意外に常識人のクリストフ。
素敵な恋の三角関係に乙女心が疼くなぁ。
最終的に「真実の愛(キス)が呪いを解く」というディズニープリンセスいつものアレがあるんだけど、呪いを解くのは…そう来たか〜〜〜ッッッといういつもと一味違った顛末。

それからアナとエルサ、2人とも演技も歌も超上手いのね。
「ノートルダムの鐘」のような、台詞が歌になっててミュージカルしながらストーリーを進行させていくんだけど、歌への感情の乗せ方がgood!

そんで「ありの〜ままの〜」で有名なあの歌、あたしゃてっきり、クライマックスにエルサが自分の能力を肯定出来るようになって歌うのかと思ってたけど、結構序盤に歌うのね。
しかも、責任ほっぽって城飛び出して、誰も傷つけないように独りで生きるわ、独身万歳!というシーン。
でも、エンディングのスタッフロールでもかかるから、また別の意味にも取れるのね。

しかしこの作品、ディズニープリンセスシリーズには含まれないらしい。
真実の愛で呪いを解く、というディズニープリンセスお決まりの設定もクリアしているのに!
どーしてなのか少し調べてみたけど、どうもこの作品単体の人気が出過ぎた事、が原因かも。
例えるなら、モー娘。からゴマキがソロデビューした感じ。
「プリンセスシリーズ」という括りに入れなくても、充分に売れちゃう訳ですね。