wisteria

アナと雪の女王のwisteriaのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
4.5
「鏡よ鏡よ鏡さん、この世でもっとも政治的に正しいディズニープリンセスは誰だい?」

「それはアナとエルサでございます」

ということで、ディズニープリンセスはいつだって時代の価値観を映し出す鏡のようなものだと思いますが、王子様のキスを待ったりするだけの受け身のプリンセスではない、自らの手で運命を切り開いていく時代に合った新たなプリンセス像をしかもダブルで提示しえたということでこれはディズニー史的に非常に重要な作品!

お馴染みの大ヒット曲に乗せ、3DCGで雪や氷の質感をここまで表現できるのか、という技術力も圧巻だし、ディズニー定番の「真実の愛」に新しい解答を示せた点でも画期的。

英語講師としては、この映画以前に、弱い使役のletの例としてはビートルズの"Let it be"を挙げたものですが、この映画以後は、もちろん、"Let it go"になった、という意味でも重宝する作品だったりします。最近の子にビートルズはあまりピンときませんが、アナ雪ならほぼ100%通じますからね、たとえ作品そのものは観ていなくても。いかにインパクトが大きかったか肌身にしみて分かります。

原題は"Frozen"。
「凍りついて」といった意味合いで、freeze-froze-frozenの不規則変化動詞の過去分詞だけで象徴的に世界観を表したタイトル。『塔の上のラプンツェル』の原題"Tangled"も「絡まって」といった意味の過去分詞を、作品世界の象徴として使っている点で似ている。また邦題は、いずれもとりあえずプリンセスの名前を入れて舞台を説明しとけ!という点でも同じ。まあ「フローズン」では、ヨーグルトの話かな?となってしまうからですかね。。
wisteria

wisteria