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アナと雪の女王のkanacoのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.5
アンデルセン童話『雪の女王』をベースとし代表曲「レット・イット・ゴー」が有名なディズニーアニメ映画。そのミュージカルシーンはやはり圧巻!氷雪の魔法に人生を翻弄された姉妹の真実の愛を描くWヒロイン物語。ストーリーに気になるところはあれど音楽や映像、美術デザインの美しさに浸れる作品😌⛄(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

夏休み3日目最終日(悲しみ…)!ラスト日なので宿泊したアンバサダーホテルのレストラン、シェフ姿をしたミッキー・マウスとのグリーティング×ビュッフェが楽しめる『シェフ・ミッキー』でゆっくり朝食を食べ、そのまま浜松町へ移動して劇団四季『アナと雪の女王』を鑑賞。映画のMARKの後ろに劇団四季『アナと雪の女王』の感想も載せているので、ご興味のない方はもちろん、事前知識を入れずに劇団四季『アナと雪の女王』を鑑賞されたい方も飛ばしてください。

◆あらすじ◆
氷雪の魔法を持って生まれてきたアレンデール王国の王女エルサは、その魔法で妹のアナと遊んでいるうちに誤ってアナの頭に魔法を当ててしまう。意識不明になったアナを助けるために王と王妃は森のトロールに助けを求め、エルサの魔法や事故の記憶を消すことでアナは一命をとりとめた。王と王妃、そしてエルサは魔法の力をコントロールできるようになるまでアナや他の人々から魔法を隠すことを決意する。魔法を抑えるための手袋をし、仲良しだった妹を避け、部屋にずっと閉じこもるようになったエルサ。しかし力のコントロールが十分にできていないうちに、エルサを支えていた両親が海難事故で亡くなってしまう。アナとエルサはお互いだけが唯一の肉親となったが、それでもエルサがアナを避ける日々が続いていた。エルサが成人した日。エルサは女王として即位することになり戴冠式が行われることになった。10年以上ぶりに城の門が開かれることになりアナは大喜び。招待客である隣国の王子ハンスと出会い瞬く間に恋に落ち、数時間で結婚の約束までしてしまう。エルサは結婚に大反対。アナと口論となるが興奮してしまったことで魔法が暴走してしまい…。

❶氷雪の魔法に人生を翻弄された姉妹の真実の愛を描くWヒロイン物語

『アナと雪の女王』はアンデルセン童話に収録されている童話として有名な『雪の女王』をベースとした、2013年ディズニー制作の53作目となる長編アニメ映画です。ただしアンデルセン童話をベースとしているとは言えかなり改変がされている…というか全然違う印象です。公開当時、映画以上に代表曲である「レット・イット・ゴー」が先行してあまりにも有名になり「この映画は何よりプロモーションによって勝利したな…」と思った記憶があります。他にも「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」「とびら開けて」もTVで流れることがあり、映画を鑑賞する先に音楽にはたっぷり親しんだ気がします。

本作はプリンセス・ストーリーですが(ただしアナ&エルサは公式プリンセスには入っていないらしい)男女の恋愛物語ではなく姉妹愛の物語でありWヒロインものになっています。話の本筋は〈壮大な姉妹ゲンカきっかけで国がヤバイ〉×〈真なる愛が全てを救って万事解決する〉構成です。

アレンデール王国の王女である長女エルサは生まれながら強力な魔法能力を持っていました。氷雪を生み出す魔法ですがその力は強力で制御が難しく、誰も傷つけたくないエルサは力をコントロールできるまではと魔法を秘密にして引きこもります。その事情を知らない妹のアナは両親が姉につきっきりになり、それまで仲の良かったはずの姉から突然避けられて孤独な10代を過ごします。事態はさらに悪化。エルサの能力を知って協力をしてくれた両親が海難事故で亡くなってしまうのです。アナとエルサはお互いだけが唯一の肉親となって取り残されます。

時は流れ、エルサが成人し女王になるための戴冠式が開かれた日。エルサとアナは久しぶりに顔を合わせ打ち解けますが、この生活に限界を感じていたアナが出会って数時間の王子と一気に婚約したことをきっかけに姉妹ゲンカが勃発。そしてエルサの能力が爆発。エルサは城から逃げ出し山の奥で氷の城を築きあげて引きこもります。エルサはこれで誰も傷つけることはなくなったと安心して門を閉ざしますが、実はエルサの力によってアレンデール王国は激しすぎる雪に覆われていました。アナはエルサと和解するため、この猛吹雪を止めるために姉を探して氷の城を目指します。

❷多くの人に愛される美しいアニメーション映画ですが、実はあまり好きじゃない…

音楽の良さと映像の美しさに浸れる作品です。特に「レット・イット・ゴー」におけるエルサの魔法表現は爽快かつ壮観。アレンデール王国やエルサが建てる氷の城など美術デザインも素晴らしく世界観の演出が素敵です。

私は今回で2回目の鑑賞ですが、初見時は本作が好きではありませんでした。というのもストーリーを知らずに先行して聞いていた「レット・イット・ゴー」が私の勝手な思い込みでとても前向きな曲に聞こえていたので、いったいどんな良い場面で流れるのだろうと思っていたら、エルサの独りよがりに見える黒歴史系の一大引きこもり宣言曲だったことにガッカリしたからです。「え?“ありのまま”とか気持ちよさそうに歌っている場合じゃなくない?まさかの勘違いソング?」と一気にテンションが下がった記憶があります。

それだけでなくコミュニケーションブロックな一族の方向性、子供2人だけ残された環境として不自然としか思えぬ設定、アナのあまりに破天荒で奔放な恋愛脳、これのどこが童話『雪の女王』?という違和感、ポンポン進む展開と3Dアニメの表情表現ゆえか各キャラクターの心理描写も薄く感じ、彼らの行動や感情の動きに唐突さを感じて入り込めない…というのが本音でし、「この作品、自分の主張を押し付けようと大声だしてくるような映画だなぁ~」と思ったのも事実です(でも後続のディズニー作品を見て本作はそれほどでもなかったと後々に思い直す😂)。

散々な言いようですが、久しぶりに再鑑賞した今も基本的にはその感覚は変わりません。

ただ内容を知っての再鑑賞だったこと、アナ雪から派生した他コンテンツに触れて「キャラクターたちの行動や感情の動きに唐突さを感じて入り込めない」というのに対して「ここの場面でこういうことかな?」と自分なりに補足できたこと、この『アナと雪の女王』という作品の世間からの愛され具合を知っていること…などからか、初見時の「ムムッと感」は大分と薄れて鑑賞できたと思います。そのおかげかオラフというキャラクターの愛らしさとその存在感にもやっと気づきました。この映画の核心を担う、とても重要なキャラクターですね!!

⛄🐝「この映画を鑑賞する前にDCコミックのダークヒーロー『ブラック・アダム』を見たのですけど…このエルサとブラック・アダムのパワーのバーサーカー具合が同じで、うっかり「つまり…エルサ=ドウェイン・ジョンソン??」とか頭にパッと浮かびましたが「違う違う~😅」と頭を振りました(そんなわけはない😂)」




★゜。☆。゜★゜。☆。゜★゜。☆。゜★゜。☆

劇団四季『アナと雪の女王』鑑賞。
浜松町 四季劇場「春」

前述した通り、実はそれほどアナ雪の映画が好きではなかったのですが、評価の高さから気になっていたこの劇団四季ミュージカル版『アナと雪の女王』。

結論として個人的にとても素晴らしいミュージカル作品でした!😆💕

アレンデール王国の舞台セットや衣装・世界観の作り方、迫力のある氷の魔法表現、楽曲にダンス…と総合的な完成度がかなり高かったように感じます。原作の有名な音楽たち…「レット・イット・ゴー」「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」「とびら開けて」他はもちろんのこと、キャラクターたちの心情を深堀していくような新曲が10曲以上も追加!セリフばっかりだな…というシーンがありません。〈魔法に翻弄されて重い運命を背負い長年苦しみ続けたエルサの孤独〉と〈家族の中で1人秘密を知らされず疎外されて長年苦しみ続けたアナの孤独〉や〈守りたいから離れたいエルサの想い〉と〈守りたいから一緒にいたいアナの想い〉、〈クリストフのアナへの感情の変化〉などがより丁寧に歌われ表現されているように思います。エルサの衣装に散りばめらたスワロフスキーガラスが輝き×プロジェクションマッピングでの魔法演出も圧巻です。あと、クリストフがアニメ版の倍はワイルド🧐✨

ディズニー映画×劇団四季のミュージカルに限ると現時点で私は5作品(ライオンキング、ノートルダムの鐘、アラジン、美女と野獣、アナと雪の女王)を鑑賞済ですが、私のBESTはずっと『ノートルダムの鐘』なのですが、『アナと雪の女王』は一気に2位へ躍り出ました。またもし人にオススメするのならばこの『アナと雪の女王』を選出します。アニメ映画の『アナと雪の女王』が好きな方はもちろんのこと、むしろ私のようなアニメ映画版のストーリーがしっくりとこなかった方にもオススメかもです😁。
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