茶一郎

アナと雪の女王の茶一郎のレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
2.7
不勉強ながら、遅れて拝見致しました。
期待しすぎたのでしょうか。いや、「マレフィセント」を映画館で見た後ですので、期待はあまりしていませんでした。

曲は最高です。アカデミー歌曲賞の「Let it go」はもちろん、他の曲も素晴らしいものばかりです。

しかし、ストーリーに関しては雑というより不快ですらありました。
この作品の残念で皮肉な点は「Let it go」という曲の力が強すぎるということだと考えます。
製作者側が雪の女王であるエルサを「Let it go」の出来が素晴らしかったため悪役から変更した話は有名ですが、そのことでストーリー運びが雑になっているのは否めないと思います。
特に序盤のアナとエルサの別れと再会は、語り口が早すぎるために両者に感情移入のしようがなく、再会もエルサの感情が記号的すぎてカタルシスが生まれません。

また、この曲のイメージやメッセージが強すぎるため、独り歩き的に勝手に観客側に伝わっていることも問題だと思います。
前述の通り、エルサに感情移入のしようが無いため。エルサが街を離れて独りになった途端、「ありのままで〜♪」などキャラクターの感情があまりにも記号的すぎてついて行けませんでした。

曲の良さで引っ張られていた興味も曲が少なくなる後半は尻すぼみです。
「マレフィセント」も同様でしたが、新時代ディズニーの女性像を現代のポリティカルコレクトに沿わせたキャラクター造形とストーリーは大変結構ですが、それありきでストーリーを構成すると説教臭くなって不快でしかありません。
別に会ったその日に婚約しても良いと思いますし。
男は全員、鼻クソを食べるわけではありませんよ。

映像に関しては、オープニングの氷の質感は素晴らしかったのですが、エルサが作る氷の城の質感はどちらかというとガラスっぽくて新鮮味に欠けていました。

曲とオラフの可愛さは最高だと思います。
以上、「母なる証明」がオールタイムベストの奴の感想ですので、悪しからず。
茶一郎

茶一郎