Maririri

世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅―のMariririのレビュー・感想・評価

4.0
"本に魅せられた男"
ゲルハルト・シュタイデルさまよりひとこと。

日本のみなさんへ
この映画を通して、本というものはどうやってできるのか?本作りの楽しさを知ってもらいたいと思っています。今日では、イギリスの大手出版社が、インドで印刷し、中国でレイアウトを行うというのが実情です。私の会社のように、全ての工程を行う出版社は世界中を探してもほとんどありません。このような見本があるのだということを、より多くの人に知っていただきたいのです。そして、私の本作りの情熱と足跡に続く勇気ある後継者が沢山でてくることを心から願います。
(公式HPより引用)

----------

紙の材質や色がどうとか、版型どれくらいのサイズで作ろうか?とか、ニスは塗るかい?とか、部数いくつまでなら原価変わらないよとか、箱に入れましょ、それなら背表紙色つけましょとか、一言一句、一挙手一投足、紙好きな私にはウキウキな見逃せない事案だらけでした。版校正とか息しないし、気配消すんで隣で見てたい…、とにかく垂涎の行為の数々。

シュタイデルは出版社と印刷会社を兼ねていて「最高の出版物を作ります」って話されてたけど、クライアントの写真家や芸術家、美術館にもへりくだらない確固たる意見があるので、ちょっと弱気な作家だと「あんたが意見言わないとシュタイデルの本創ってる事になるんよ」ってくらい構成やデザイン、なんなら写真の色味にまで口出してくる(←言い方)からね。でも出来上がった個性豊かな美しい本を見てしまうと、さもありなんって感じ。

あと100回くらい観れる。
ほんと楽しい。
Maririri

Maririri