鷲尾翼

マリリン・モンロー 瞳の中の秘密の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

2.5
【まとめシネマ】#782

【まとめ】
* 群像のように語る私の本音
* 『ブロンド』との違い
* マリリンを馬鹿にして、死を搾取

『ブロンド』の比較として鑑賞。

本作は、マリリン・モンローが残したメモとこれまでの活躍をテーマにしたドキュメンタリー作品だが、描き方が少し変わっている。ユマ・サーマン、リンジー・ローハン、グレン・クローズなど年齢もキャリアも違う女優陣がマリリン役として、朗読する。ミステリアスなマリリン・モンローの魅力を、人物を定めない演出は、新鮮。

アナ・デ・アルマス主演『ブロンド』は、マリリン・モンローの壮絶な過去をメインに描いている。一方、本作はマリリンを「役者」として扱い、有名になるまでの成り立ちや苦悩をメインに描いている。マリリンの出世を枕営業であることを強調して、何十回もミスをしてテイクを繰り返す彼女を、おバカアイドルとして扱っているようにしか見えない。

作中で、生前に「尻軽のおバカ金髪女」と彼女を酷評するコメントが出てくる。この言葉通りにマリリン・モンローのイメージを描いている。また、ドキュメンタリーの質もTVショーに近い。マリリンの死を世間知らずに解釈し、搾取した作品だ。
鷲尾翼

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