おさらいしてみよう。REDはRetired Extremely Dangerousの略で、意味は「引退した極めて危険な(人物)」。年金暮らしの高齢者が実は元CIAの凄腕エージェントで、いざという時にはジジイとは思えない活躍ぶりを見せる…というのがこの作品の掴みである。けれども私は知ってしまっている。「元凄腕」「元エージェント」が主人公の映画なんてゴマンとあることを…。むしろ組織に所属しない引退者だからこそ、自由に行動し好き勝手な結末を迎えられるのかもしれない。凄腕のエージェントから組織のしがらみを引いたら…?ヤバい…手に負えない…Retired Extremely Dangerous…
2作目は、穏やかに花でも愛でて余生を過ごしたい元エージェントの男(ブルース・ウィリス)が、スリル欠乏症の妻(メアリー=ルイーズ・パーカー)に振り回されながら世界各地を旅するというもの。ど素人が物見遊山でいつの間にかExtremely Dangerousになっていくのが面白い。超危険な夫婦の誕生と奇妙な新婚旅行とも言えるかも。奇妙な、というのはその旅行にジョン・マルコヴィッチが付いてきたり、イ・ビョンホンが殺しにきたり、クレムリンでロシア兵のコスプレをしたり、ということである。
およそ普通の夫婦には体験できない旅行を楽しんだ二人だが、それでもやはり旅から帰って家に着くなり「はぁ〜、やっぱり我が家が一番ね」とか言うのだろうか。