よーだ育休準備中

るろうに剣心 伝説の最期編のよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

3.0
志々雄一派に攫われた神谷薫(武井咲)の救出に失敗した緋村剣心(佐藤健)は、かつての師である比古清十郎(福山雅治)の庵で目を覚ます。絶大な力を持つ強敵・志々雄真実(藤原竜也)を倒すべく、飛天御剣流の奥義伝授を願い出る。


◆フタエノキワミアッー!

期待していた感じではなかったです。いや、半ば覚悟はしていました。原作漫画作品の実写化において大事な事って、原作へのリスペクトとかそういう精神論的なものを抜きにしたら、どれだけコスプレ感を無くすかって事に尽きると思うんです。第一作目は、それで成功したんだと思うんです。(勿論、迫力のあるアクションシーンだってカッコよかったですが!)

原作でも一番熱いこの《京都編》。激闘に続く激闘がものすごく熱いこのパートは、やっぱり漫画的表現の方があっていたのかもしれません。志々雄真実のビジュアルも中々強烈ですが(ここは藤原竜也をミイラ男にする事でコスプレ回避)、志々雄配下の十本刀はそうはいかないですよね。あいつらクセ強すぎるんじゃあ…。画面に見切れたアイツとか、混戦の中でのコイツと戦うアイツとか、〝おぉ!〟と思うシーンはあれど原作のような激闘とは程遠く。実写化の上で切り捨てられた奇天烈なキャラたち、南無南無。

遂に登場した剣心のお師匠、比古清十郎もあっさりした扱いでした。豪快で、適当で、しょーもない感じなのに超頼りになる、なんだかんだいって剣心の事を気にかけるお師匠。キャスティングが福山雅治なのは超良かったと思うのに、剣心の拗れた心を解きほぐしてサラッと稽古をつけて以上終了。それ以上の出番は無し。致し方なしといえば致し方なしですが。

京都御庭番衆のお頭で、修羅と化した四乃森蒼紫(伊勢谷友介)も、原作ほど深みのあるキャラとしては描かれておらず。狂気に取り憑かれたヤバさだけはビシビシと伝わってきましたが、強さで言ったらあまりパッとしなかった印象。もっと強キャラだったはずだし、良いところもあるキャラだったはずなのに。


◆悪魔的だ〜!!

志々雄の艦隊《煉獄》での最終決戦は、志々雄真実の圧倒的な強さがよく描かれていたと思います。が、アクションシーンとしてどうだったかと言われたら、正直一作目の方が良かった気がします。志々雄真実というキャラクターの圧倒的な強さと、藤原竜也という役者の圧倒的な藤原竜也感を見せつけられて終わったかなぁと。

コスプレ感が無く、かと言って原作の奇天烈キャラが全く登場しないわけでもない(画面のすみっこでカットインさせている)心意気は良かったですが…

剣心の挫折にフィーチャーしすぎたくせに復活する様が大して描かれていないこと。剣心がへろへろモードだからアクションに一作目ほどの冴えが無いこと。志々雄真実の強キャラぶりは遺憾無く発揮していたものの、見せ場が圧倒的に少ないこと。

尺と脚本のバランスを取った結果であることは重々承知していますが、やっぱりちょっと物足りなかったなぁ。志々雄真実が藤原竜也じゃなかったらもっと点数低かったと断言します。国盗りが控えてるんでな…。