YYamada

ランボー3/怒りのアフガンのYYamadaのレビュー・感想・評価

2.8
もう1つの当たり役【ランボー】③

◆原題:『RAMBO Ⅲ』
◆監督: ピーター・マクドナルド
◆シリーズ興収: 第2位 (5作品中)
◆敵勢力:
 アフガニスタン滞留ソ連軍
◆作品のテーマ:
 トラウトマン大佐の救出

〈見処〉
前作の大ヒットから3年の間に社会環境が激変。時代遅れとなってしまった残念作。

①作品に反映する時代背景【1988年】
◆社会環境:
・レーガン政権終盤、プラザ合意後、景気は回復基調。
・「ソ連にとってのベトナム戦争」アフガニスタン撤退は翌1989年。1991年のソ連崩壊の遠因に。
◆映画界:
・『レインマン』『ダイハード』の一級の娯楽作が大ヒット。
・また、1986年『プラトーン』により、アメリカ=絶対正義の構図が破壊。
◆S.スタローン:
・1987年に早くもブリジット・ニールセンと離婚。その遠因であるアーノルド・シュワルツェネッガーは『プレデター』などのスマッシュヒットでスタローンの地位を脅かす存在に。

②アクションシーンの見処
・「ランボー無双」最高潮。基地や戦車も一人で対峙。日本版ポスターには「15万のソ連軍最強師団の中へ!」だったそうだ。
・アメリカのスラング「Going Rambo」(敵たったひとりの殴り込み)は、本作のためにある。

③本作品のツッコミ処
・本作冒頭でトラウトマン大佐がソ連軍の捕虜となるが、クルマ一台で戦地に赴く危機管理が情けない。
・前作までは、社会問題を扱ったテーマであったが『プラトーン』の成功にて、社会風刺ジャンルは描き辛くなり、平坦なアクション映画に。
・最終的にアフガン現地兵との共闘でソ連郡を撃退。本作ラストには「この映画をすべてのアフガン戦士たちに捧げる」とメッセージが流れるが、その後、彼らが「タリバン」「アルカイーダ」に変貌するのは、時代の大きな皮肉である。
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