火山の噴火によって巻き上げられた未知のウィルスが原因で屋外に出れなくなるストレス症候群に人類が感染?するという「引きこもり」を題材に扱った奇抜なシチュエーション。
ゾンビとか宇宙人ではなくて、人間の心理面の部分に対して謎の不安感を見つけたあたり、地味〜ぃなSF映画なんですが面白いと思いました。
症状の例として引きこもりの日本人のオタクが引き合いに出される場面ではチョットむーっともしましたが全体のバランスがいいので許容範囲です^^
屋外に出ただけで口から泡を吹いて死んでしまう奇病になってしまった人々や家族が、生活する場所を求めてモラルを失っていく描き方も不自然では無いです。「スカイライン」とか「28日後」っぽい確証のない好転感と期待感がどこか漂っていて、主人公の成り行きをただただ見守るだけしかないのですが、いつでも飛び出せる「屋外への扉」=「その向こうは恐怖の空間」というのが、ありきたりの日常の中から見つけ出した新しい恐怖の素材として面白いです。通常の映画では安全地帯とか脱出口という良いイメージの場所として扱われているだけに。
CGやSFX的な派手さが一切なく本当に地味な映画でしたが、突然屋外恐怖症に掛かった人々の中で、GPSを利用したりして地下道や地下鉄などを歩いて遠く離れた恋人に会いに行く主人公の行動には、その彼の子供という次世代への希望もほのめかされていて、そういう話題を盛り込むあたりに余裕があっていいなぁと関心しました。
ラストの締め具合が突然、CGをふんだんに使った壮大な話になるあたりがイイです。
撮影や音楽制作にバランス良くお金を掛けているのがじわじわっと伝わって来るし、テーマもしっかりと伝わって来てハリウッドからは絶対に出てこない作風だなァと感心しながら楽しめました。
2013公開の映画で今2015/06/03の時点でサムネイル写真がありませんがいい写真をお願いします Filmarksさん^_^
2015/06/10 サムネイル写真にDVDのパッケージでは無く、「立派なポスター画像」がつきましたー
Filmarksのご担当者様 ありがとうございました ^_^