垂直落下式サミング

アックス・ジャイアントの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

アックス・ジャイアント(2013年製作の映画)
3.5
犯罪者更正プログラムのために山奥に連れてこられた非行者たち。鬼教官のしごきに耐えかねて脱走を謀るが、その振る舞いが森に住む大巨人を怒らせてしまい、彼に追われることとなってしまう。
無二の親友の墓を汚した愚かな人間たちを一匹残らず駆逐してやると怒り狂い、巨大な斧を手に進撃を始める悲しき大巨人。その腕力たるや剛力無双。斧のひと振りで人間を真っ二つにしてしまうのだ。
驚くべきことにこの巨人、作中で登場する度にめまぐるしく身長が変化し、そのサイズ感は見越入道の如く変幻自在なのである。隆盛を繰り返す人間山脈とでも言うべきだろうか。大きさに微妙に違和感を感じる程度の時もあれば、前のシーンより明らかに小さくなっている時もある。大豪院邪鬼も最初は東大寺の大仏くらいの大きさだったのだから、それと同じ現象が頻繁に起きているのだと思えば特に気にはならないだろう。
なぜ斧までデカさが変わったのかはわからないが、伝え聞くところによると死神の持つ斬魄刀という武具は持ち主の霊圧の大きさに比例してその刀身は大きく長く変化するという。デカいも小さいも気の持ちようひとつで変化するということなのだろう。リアリティの置き所が非常に漫画的だ。
ラストなどはかなり切ない演出で描かれていて、社会から弾き出されてしまった異形の者の哀愁を感じさせるモンスター作品だった。