聖

父の秘密の聖のレビュー・感想・評価

父の秘密(2012年製作の映画)
5.0
TSUTAYAでジャケ借り。

少女がひっぱたかれている瞬間を捉えた写真が衝撃的で思わずなんだこれは!と手に取った。

そして事前の情報を一切仕入れないで観た。

…事故った。とんでもない作品を借りてしまった。



ある出来事を経て、新しい土地へ引っ越してきた父娘。

職場になじめない父。一方、娘は努力して仲間を得ようとするが、ある日を境に苛烈なイジメの標的となる。

娘は父には知られたくないという思いからSOSを周りに求めない。

次第にイジメはエスカレートしていく。

このイジメがあまりにもリアルで、なんと言う不快感よ!

僕ははじめは怒りに震えていたが、そのうち吐き気をもよおし、次第に絶望的な気分になった。

長回しが多くの場面に使われているのだが、それがまた不安感や絶望感を増幅させるのにぴったりで、見事なまでに気分をダウナーにさせてくれる。

特に修学旅行での一連のシークエンスでは、見ているうちにだんだんクラクラしてきて、視点が定まらなくなっていった。

でもこの映画はそう思わせることが成功の証なのだろうから、まんまと監督の術中だわチキショー!(泣)

とまあこんな具合で途中までは本気で「観なきゃよかった…」と後悔していたが、ラストに向けて、急速に空気が変わっていく。

そして、衝撃。

これは衝撃の展開とか、驚愕の事実とかいうことではなく、衝撃だったのだ。これはすごい。言えないがすごい。

「えーーーっ!?マジで!?」
と思わず声が出てしまった。

あと全体として、感情が爆発する描写をほとんど描かないのがいい。淡々と物事が進行していくのが、ものすごく怖い。



今作はうかつ人にオススメしていいものか非常に迷うのだが、採点はものすごいインパクト、良質なエンタテインメントを観たのとは全く異なるベクトルでの「すごいもんみた感」に、満点をつけます。

ミシェル・フランコ監督さん、あなたはどうしてこんな映画を撮ったんだい?

次回作激烈に楽しみにしてるよ!