YellTao

父の秘密のYellTaoのレビュー・感想・評価

父の秘密(2012年製作の映画)
4.0
すべてが巧く機能している、光の暗喩。

固定されたカメラの視線が映し出す、父と娘の対照的なグリーフプロセスは、まだまだ半ば。
父の怒りは他者に向き、娘は自己に向けている。

ミシェル・フランコ監督の、日常の突きつけ方が衝撃すぎるし、打ち震えるほどに怒りを感じる演技を披露した子ども達にも、賛辞。

観客の目は、大多数のひとりという立場に変わり、次第にじっと痛みを耐える感覚に陥って、
母の視線となり妻の視線と成り代わる。
苛虐は喪失を招き、それにより重複された痛みの行く末を見守った視線を、自身に向けることで怒りをコントロール出来るようになれたら良い。
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