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ペインレスのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ペインレス(2012年製作の映画)
3.3
スペイン内戦〜第二次世界大戦下スペインで痛覚を持たない疾患になった子供達が辿った運命と、白血病に侵された医師ダビッドが実の両親を探す旅がリンクする物語。

無痛症の少年ベニグノが、戦況の変化により素直な資質が怪物に変質していく哀しさ。
彼は序盤以降は台詞らしい台詞がないのに眼力と存在感が凄い。

恐怖時代の自分の行いを、恥じる、曝け出されることを恐れる気持ちは平和ボケしている自分には到底分かりませんが、ダビッドの養父母の選択はあまりに悲しかった。

残された子供にも、医師ダビッドにも、彼の養父母にも、ベニグノにも救いなんてこない。そこにあるのは重い事実と先が見えない未来しか残されない、そんな鬱い作品でした。