Kogarath

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴのKogarathのレビュー・感想・評価

4.3
人の血を吸って生きる、夜しか活動できない、といったステレオタイプの吸血鬼が現代にひっそりと存在するなら、本当にこんな生活してるのかも。
病院から裏ルートで血液を買ったり、飛行機は夜間発着便を予約したり…なかなか生きづらそう。最近の人間の血は汚れてるから、むやみに襲うと逆に体が蝕まれるってのも風刺が効いてる。

舞台はすべて夜。
ユーモアを交えながらゆったり進む展開や、こだわりの衣装や小道具、音楽など、これぞジャームッシュ!といった感じでたまらない。
そんな退廃的かつスタイリッシュな映像と、トム・ヒドルストンのアンニュイな雰囲気、ティルダ・スウィントンの年齢不詳の美しさがそれぞれに相乗効果をもたらすキャスティングも絶妙!
出番は少ないけどミア・ワシコウスカの小悪魔っぷりも可愛い。

かつての栄華がすっかり消え去ったデトロイトの街と、文明社会に追いやられて衰退していく吸血鬼たち。
滅びていくモノの美しさと哀しさを描いた映画なんだろうなーと思いながら観てたから、あのラストは気持ちよかった!
監督にはこれからもずっと素敵な映画を撮り続けてもらいたい。