回想シーンでご飯3杯いける

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
ジム・ジャームッシュが描く現代の吸血鬼事情。

主演はトム・ヒドルストンとティルダ・スウィントンという事で、共にMCU作品(マイティ・ソー、ドクター・ストレンジ)にも出演しているメジャー・アクト。2人が醸しだす人間離れした佇まいが、いかにも吸血鬼っぽくて、作品独自の雰囲気を形成している。

トムヒが演じるのは、ロックミュージシャンとしても活動する吸血鬼(笑) いかにもジム・ジャームッシュ作品らしい設定だ。そして、ティルダ・スウィントンの年齢不祥な美しさよ。本作撮影時で50才を超えているはずだが、ばっちりフルヌードを披露している。

吸血鬼が題材であるもののホラー要素は皆無。デトロイトの夜の街を舞台に、彼らが「良い感じ」と気に入っている廃ビルを利用したクラブや、殆ど車が走っていない寂れたハイウェイが、全編に渡って映し出され、見ているだけでうっとりしてしまう。

ちなみにこの作品世界の中では、吸血鬼もiPhoneやYouTubeを愛用。往年のカルト・ディスコソング"ソウル・ドラキュラ"の動画を見てニヤニヤしている姿がツボだった。