ねぎおSTOPWAR

美人図のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

美人図(2008年製作の映画)
3.6
「女が男のフリをする」
ウンチャン??


町の鏡職人(キム・ナムギル)と自死した兄ユンボクとして王宮の絵描き(記録係)となったヘウォン(キム・ミンソン<のちキム・ギュリ>)との愛の話であり、因縁のある師匠ホンドとの難しい関係の話。
メインの二人の逢瀬の場面、着物などをふんだんに装飾として利用してとても美しい濡れ場が結構な時間描写されます。たぶんそれによりR指定。




時代は朝鮮王朝でもっとも平和で良い王様と言われる正祖の時代(在位1776-1800)。イ・サンですね。劇中「なぜ私の命令はこの弓矢のように真っ直ぐに行かないのだ」という政府重臣たちのことを揶揄する言葉もありつつ。
王の庇護の元記録としての絵、芸術を極めようと頑張っていたのが図画署(トファソ)。
ジェンダーなんて言葉も思想も皆無の時代。完全に女性蔑視。しかし図画署って女人禁制でした??テレビ「イ・サン」では主人公相手役のハン・ジミンはここの配属(*1)のはず。署長に関しては身分も含めてそうそうなれない職ですが・・。

《実際のところのこと》
ホンド、ユンボク、共に実在するわけですけど、ユンボクに関しては春画や風俗画ばかり書いていて、タッチは女性的、そして辞めていることくらいしか記録に残っていないそうですね。だからこそ脚色の余地があったと。
最初に『風の絵師』で、ユンボクは実は女子だったという設定が世に出たと。そこからこの映画が作られたんですね。


(*1)「イ・サン」でのハン・ジミンが演じた役

実在した側室:宜嬪 成氏(ぎひんせいし)が元になっています。
女官から王の子を産んだ人物。
ドラマではこの人物を脚色して、幼馴染から(女官➡)図画署(トファソ)を経て側室になったというストーリーにしました。



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