「産まれてきた ただそれだけで 愛されてる証」
エンディングのMr.Cihidrenが本作のために書き下ろした「放たれる」の歌詞の一節ですが、本作を表すのにピッタリな言葉でした。
劇団ひとり監督&大泉洋さんのタッグの「浅草キッド」を観たので、好きだったこちらも再鑑賞。
邦画の中でトップクラスに好きな一本。
原作、監督、出演までこなす劇団ひとりさんの才能が発揮されまくりな一作。
親からの愛も感じず、人生に絶望し、打ちひしがれる売れないマジシャンがある日雷に打たれ、自分が生まれる前の過去の浅草にタイムスリップしてしまい、両親と出会ってしまうというストーリー。
約90分の尺で無駄な所がなくシンプルなストーリーながら主要3人の大泉洋さん、柴咲コウさん、劇団ひとりさんのそれぞれのシーンでの演技が凄まじくて、作品に魂が通うの感じます。
特に大泉洋さんのうだつの上がらないダメで、死んだ目をした序盤から、親の愛を知り、最後にはマジックを演じる姿のカッコよさは何度観ても痺れます。さらに冒頭のカードマジックや終盤のステージなどはスタントなしでのご本人が演じているという長回しワンカットでの本格的なマジックも見どころです!それを知ってから観るとなおさら凄いと感じます!
柴咲さんとの病室での会話は何度観ても泣けます。
このシーンだけでも作品を観る価値があるくらい素晴らしいシーン。未来が見えるという設定を活かしつつ、お腹の子の未来を語る姿はもう切なさと感動が一気に押し寄せてきます。
演者としてのひとりさんもクールな2枚目役から舞台に上がった際のコメディアンとしてのギャップはさすが!中国人キャラは特に好きなので笑えました!
ややシンプルすぎるという方もいると思いますが、王道で過不足なくまとまった脚本に本作のために書き下ろされたエンディングの「放たれる」まで含め素晴らしい一本。
タイムリープ、家族の絆の再生、人生讃歌、負け犬達のワンスアゲインなどの好きな要素が詰まっており、個人的には邦画屈指に好みな作品です!!