エンポリオ

青天の霹靂のエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

青天の霹靂(2013年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ここぞの場面を魅せきる主演陣の演技と物語の力。
タイムリープを使ったドラマファンタジー作品。劇団ひとりの強みとも言える、温かさに裏打ちされた物語力が要所で光る。映画の終盤、残り30分程からは一気に捲られる。とても90分尺の作品とは思えないボリューム。
タイムリープをとことん上手く使った物語であり、その要素が素晴らしい展開を生んでいることに関しては間違いなく、大いに評価できるが、時代を遡る前に晴夫が抱えていたどん詰まりの悩みと、タイムスリップした後に晴夫が見出した彼なりの答えとの間に、ほんの少し、数センチほどのズレを感じた。作品を引き延ばしてでも、「生きる」ことそのもの対する視点が欲しいところだった。
今挙げたように、若干辻褄の合わないように感じる所があったにも関わらず見辛くならない上に、物語自体は見事であった。ただ、ぺぺと悦子が時空を越えて親子の会話に花を咲かすシーン。個人的には、悦子が自らの行く末を訊ねるのではなく、ぺぺが一人涙ながらに話し続け、悦子に対して「生きる理由」だというセリフが出て、悦子が堪えきれず涙を流す方が自然で感情を整理出来、より見応えのあるように思われた。
エンポリオ

エンポリオ