ハヤシ

LIFE!のハヤシのネタバレレビュー・内容・結末

LIFE!(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤の妄想に関する演出は過剰だと思う。それさえなければもっと好きだった。
ちょうど、年収を下げて海外に転職したタイミングで鑑賞したので、感動とか感銘よりも共感が強いな。

意中の同僚にマッチングサイトからしかアプローチできない主人公は、世界中を撮影したネガフィルムをオフィスの暗室でひたすら現像・保管するという長年の生活から形成されている。愛や世界が目の前に存在することが分かってても、精神的にそれにアクセスできない比喩。

でもそこには家族(母と妹)を支えるためには仕事を選んでいられなかったという彼の苦悩があるし、結婚についても経済的な理由から先送りしていたことが垣間見える。

スケートボードの技術でリッチから信頼を得る瞬間を彼女がちょうど見ていない場面なんかも喜劇的だけれど、本来イケてる(イケてた)はずの男が様々な役割のために冴えない中年男性になってるんだよな。

グリーンランド〜アイスランド間の漁船内で振る舞ってもらったケーキが実は母親手製のものだったという仕掛け、アメリカを飛び出して捜しに行ったものは初めからポケットの中にあったというオチ。

あとは、フライトは2回、旅した国は3ヶ国というリアルな規模感の中で自分を取り戻していくってのが好き。鑑賞するまでは、中盤以降に何十カ国にも旅をしていく話かと誤解していた。
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