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渇き。のSIのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
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2018.10.03
機内にて観賞

中島哲也監督作品は初。

1カット目から引き込まれ並みの映画ではないとすぐに感じた。
ジャンコクトーの引用がかっこ良かったが、残念ながら見終わったあとの感想としてはナンセンス。最近彼に触れてとりあえず使いたくなってしまったのか。引用するならば例えば狂気について考察したフーコーがいい。
オープニングアニメーションは最初はアメリカンニューシネマのような雰囲気が醸されて良いと思ったが、表現が冗長。発想が良いのに中身がない。

警察の取り調べを受けていた役所広司が、同じく取り調べを受けていた不良少女に対して絡むシーンは北野武の処女作、「その男、狂暴につき」の影響を感じさせる。(もう1カット、車が坂道を上りきる数秒前からFIXで撮るシーンも)
北野武への敬愛の反動からか、正直各カットが短すぎる。
若者でないと気分を害するレベルなので、大作を狙うのであればその癖はやめた方が良い。そもそもが映画への冒涜。

話の構成としては完全に終了していて終始意味がわからなかった。
そもそも役所広司は統合失調症?躁鬱病?意味がわからない。
現実に精神疾患を持った人であんな人はまずいない。
無知をさらしながら差別を助長する好例のように思ってしまった。

音楽やロケーションなどその他の面では邦画にもかかわらず作り込まれかなりの力を感じたので、「来る。」には期待しています。
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