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渇き。のtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
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裏『桐島部活辞めるってよ』かもよ

美少女の巫女性と悪魔性の共存性を見事に表現した加奈子役の小松菜奈ちゃんと動くためのガソリンは狂気っていう位の父を演じた役所広司は本当に素晴らしい演技!
テーマは陳腐かもしれないが圧倒的な映画としての過剰な毒はあらゆる人に体感してほしい!

表現方法が時間軸が過剰に前後するとともに、群像劇の様相をとり、主人公がカリスマ的学生ということから『桐島部活辞めるってよ』を想起すると思う。
しかし、この映画では『桐島〜』で描かれなかった桐島のダークサイドを描いており、裏桐島感がある。
そのダークサイドというものは誰しもが持つものであり、テーマとしては陳腐だが加奈子のダークサイドや多面性はそんな簡単なものではない。
加奈子は実に皆が思っているように『フラット』なのだ、
だからこそ人を魅了するし、愛するし、めちゃくちゃにするし、破壊する。
一見不可解でも彼女の愛情表現は変わらない。
愛するために場所を変えて演技をしているだけなのかもしれない。
それを『(親が知らない)子供(人間の)多面性』をこの映画が表現している。と簡単な結論にしてしまう。
確かにテーマの一つはそうだが、実はその裏に『人には多面性がある』
というこの映画の中で加奈子とその父はフラットな行動原則しか持たなず終止一貫している。
だからこそ多面性があるこの世界の中で狂って見えるのかもしれない。
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