乱行パーティ目的の風俗店(マンションの1室)に集まった、初対面の数人の男女の1晩の人間模様を皮肉っぽく描いた作品。
もう設定からしてトンデモない。
こういう場所には行ったこともないし、行く予定もないけれど、きっとこういう感じなんだろうなぁというリアルさと細かい人間の描写が生々しくて気持ち悪くて、やっぱり人間って苦手だなぁと思ってしまう。
目的は同じなのに、様子をうかがってなかなか始まらない感じとか、お互い探り合ったり、陰で悪口言い始めたり、言い争い始めたり、勘違いする奴が出てきたり…マンションの1室の出来事ではあるけれど、そのまま普段の生活にも投影されるようなリアルな光景。
そういう日常を忘れるために集まっているだろう彼らも結局、人という性から逃れられないのかな。
とはいえ、嫌なところばかりじゃなく、人間の可愛いらしい部分やオチャメな部分、孤独感みたいな切ない部分も表現されていて、三浦監督作品は｢裏切りの街｣に続き二作品目の鑑賞ですが、本当に人間描写がお上手だなぁと思います。
役者の皆さまも、濡場含め素晴らしい表現力で、圧倒されました。
｢間｣がある映画は好きな方ですが、全体的に間が多すぎて、早回ししたくなってしまうシーンが多かったのは少し残念でした。
朝のシーン、客側も経営側も、朝日を浴びて現実に戻っていく各々の雰囲気とか、虚無感みたいなものが伝わってくるのがたまらなく好きな感覚でした。
設定·主題★★
物語·脚本★★★★
映像·演出★★★
配役·演技★★★★
音楽 ★★
