やすのり

ラストエンペラーのやすのりのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
5.0
 絢爛豪華な紫禁城と溥儀
 砂上の楼閣、満州国と溥儀
 …最後は、故宮博物院と溥儀

 時代に翻弄された、ごく普通の御曹司の人生の悲哀…かな、彼には思想も、調略や謀略を計る能力も無かった 復辟は天から舞い降りてくるとでも思っていたのだろうか…
 彼に有るとすれば只管付き纏っていた“孤独”だけ…
 その“孤独”につけ込んだ関東軍のそれこそ謀略満州事変と溥儀の担ぎ上げ、そこに暗躍する甘粕正彦…

 甘粕正彦…自分の甘粕イメージはこの作品の坂本龍一が作り上げてしまった、実物像は坊主頭に丸眼鏡で当時の軍人そのものの容姿なのですが…冷たい目線と無表情な怒り、アヘンビジネスで蓄財し当時の満州の闇の支配者甘粕正彦
 欲をいえばこの作品中に甘粕のエピソードももう少し欲しかった
 ただの謎の男⁉っぽく描かれているだけやし…
 甘粕事件の件、柳条溝事件での陰謀実行部隊の件、天津から溥儀を脱出させた件、映画業界にも進出し李香蘭を世に出した件(ここはカメラを回すシーンでほんのちょっと触れてましたね)

 演じた坂本龍一教授
自殺シーンでは違和感を感じ、自刃から拳銃自殺に変えさせたそうな…実際は青酸カリの服毒自殺だったようですが、史実のとおりの方が、静やかでクールで彼らしかったのでは… 
 それにしてもこの作品の美しい音楽をわずか2週間で作り上げたという教授の天才っぷり…ほんとに此の世を去るには惜しすぎます……

 なんだか、最後は甘粕正彦の話しばっかになっちゃいました💦
 

 …追1
 川島芳子と怪しい関係っぽくしてますが、そのような事実はないそうです

 …追2
教授! “アホアホマン”も、大好きやったよー!😭
 
やすのり

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