このレビューはネタバレを含みます
実在の連続殺人犯ロバート・ハンセンの事件を描いた作品。
シリアルキラーを捜査する刑事の話なのだけど、実話ベースという事もあってか、全体的に地味な印象を受けました。
犯人の目星がわりと早い段階で明らかにされるし、中盤以降は犯人よりも証人であるシンディを追いかける展開が続くので、「シンディにイライラする」という感想が多いのも分かります。
あとは、犯人であるハンセンのキャラが弱かったなと。
狩猟の様に淡々と人を殺すだけで、特に変態的な趣味があるわけでも、屈折した内面を見せる事もないので物足りなく感じました。
彼の背景や私生活を描く事は、敢えて避けたのかもしれませんが、もうちょっと肉付けした方が怖さやキモさが増した気がします。
この辺は実話ベースの弊害というか、捜査過程や犯人像を創作するわけにもいかないので、難しいところですよね。
そんな制約の中で、シンディの成長物語を軸に据えた事は良いアイディアだったと思うし、これがなかったら、もっと地味な映画になっていたかもしれません。
個人的には、本作ではあまり描かれなかった、ハンセン側の視点で描いた作品も見てみたいな~と思いました。