旅先で観る映画もいいもんだな、と
思った19歳、沖縄の夏。思い出の作品です。
(下記の(おまけ)にて)
裏社会の殺し屋ヴィクターと
顔半分が傷ついた女ベアトリスが
主役のこの物語。
「殺し屋」と「女」。
この2つの並びで、察しのいいfilmakerは
「あれね、何かが欠けた者同士が
恋仲になるラブアクションものね。」
と勘ぐるだろうけど、この作品は
そこに至るまでの過程がちょっとだけ違う。
(とはいえ、開始15分はほんと面白くないので
そこには目をつぶってほしいかも。
要約すると、ヴィクターの所属する組織は
何者かに一人ずつ殺され続けており
犯人を躍起になって探している状態)
物語が動き出すのは開始15分から。
マンションの真向かい、同じ階に住む二人は
ベランダでふと目が合う。ロマンチックな感じで。
で、その後、デートをしていい雰囲気に。
(あ、そういう系ね。女のために足洗う系ね。)
と、当時の自分はぼんやり思ってました。
そしたら女がまさかの一言。
「私、見たのよ。」
「〇〇○○なければ○○○を○○○。」
はぇ~、そうくるか❗️と。
で、監督を見てみてさらに納得。
なるほど、『ミレミアム』の監督なのね。
それを知ってからはノンストップで楽しめました。
(ここからネタバレあり)
この監督、感情をカメラワークで
表すのが上手いんですよ。
例えば、顔半分が傷ついた女
ベアトリスの見せ方とか。
『ダークナイト』のトゥーフェイスのように
顔半分だけを見せたり見せなかったりすることで
感情の機微を表現しているのが面白くて。
(ベアトリスの母が顔を髪で隠そうとするも、
あえて出しなおすシーンとかもそう。
「早く殺れ」「私の(心の)傷は癒えてない」と
ヴィクターに脅しをかけているわけですね。)
妻と娘を殺された復讐に、組織に入った男。
顔を傷つけられた復讐に、殺し屋を脅す女。
全く別々の(復讐)でつながる二人には
どんな未来が待っているのか──
名作とは言えないけど、ちょっとマイナーだけど、
レビューしがいのあるfilmarker向きの本作。
もし観る気なら、予告もあらすじも
見ないで鑑賞するのがオススメ❗️
あと、劇中曲がすごくよかったので
それだけでも聞いてみて😁
(ZAZ - Eblouie par la nuit
https://m.youtube.com/watch?v=KDcgOpUp2nc)
(おまけ)
大学2年の夏、友人と沖縄に行ったんですよ。
Tシャツに海パン、財布片手に
一日中レンタサイクルでかけまわったりして。
で、夜。ホテルで有料VODカードを買って
(昔よくあった1000円のやつね)
でも、面白そうなのがなかったので
しゃーなしで選んだのがこれ。
で、先日。その友人から久々に連絡が来て
ふと思い出したので再鑑賞、というわけ。
映画の内容なんか何一つ覚えてなかったけど
どんな経緯で、どんな場所で
観たかは何一つ忘れてなくて。
「映画」と「思い出」って意外なところで
つながってるんだなって知って、
また少し映画が好きになりました😊
2019年11月上旬 47本目