samurai_kung_fu

ウルフ・オブ・ウォールストリートのsamurai_kung_fuのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

概ね誰でも「毎日笑って過ごしたい」と思うだろう。しかし、そういった言葉の裏には常に「貧しくてもイイから、人の迷惑にならず、出来るかぎり人を助けて、生きて、毎日ごはんが食べられることに喜びを見いだしましょう。」みたいな、貧乏臭い「清貧志向」が芬芬と臭ってくる。
本当はみんな「毎日ゲラゲラ笑って、ハイになりたい。」と思っているんじゃないだろうか?
セックス、ドラッグ、ノリノリのパーティ。そんな生活には背徳的な後ろめたさや、法律に反する薬物の使用が前提になるため、タブーとしているだけだ。
酒とドラッグの境目は?
娼婦とのセックスとこっそり見るアダルトビデオ、罪の意識に差はあるのか?
そういった不安定なモラルなら、いっそ持たなくて良い。という決意をした主人公ジョーダン・ベルフォード:レオナルド・ディカプリオのバカみたいにアッパーな毎日が魅力たっぷりに描かれる。
スコセッシの意地が悪いのは、そんな楽しい日々の合間々々に、ジョーダンを追い詰めるFBI捜査官の日常を挟みこむところだ。捜査官の毎日は、目をつけた犯罪者の証拠固めや裏付け捜査を淡々とこなし、夜は厳しい労働条件で働く移民たちと同じ地下鉄に乗って帰るだけ。
派手で享楽的でモラルに反した毎日と、地味で禁欲的でモラルに沿った毎日。
まぁ、もちろん間を取って、そこそこ楽しんで、それなりに勤勉であれば良いのだが、極端に振れた人の人生は傍目に大変面白い。
だから、この映画も大変に面白い。
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