Melko

バックコーラスの歌姫たちのMelkoのレビュー・感想・評価

バックコーラスの歌姫たち(2013年製作の映画)
3.6
「良い声の持ち主はたくさんいる。心底理解してくれる人が必要なんだ。
もし売れたとしても、問題はそのあとだ。予備軍はいくらでもいる」

Sing your heart out. —心を歌う

原題の持つ意味の重さ
20feet from stardom
—-スターダムまで、約6メートル

人の後ろに立って歌う仕事、それがバックコーラス
主旋律を支える役割、それがバックコーラス

あの人と私では、何が違うのか……

歌うことが好き
どうせ歌うなら、人前で誰よりもスポットライトを浴びたい、一番にならなきゃ意味がない!者もいれば、
みんなで歌うことが何よりも楽しいのだから、一番になれなくても良い、だけど歌って生きていきたいから、何でも良いから歌の仕事が欲しい者
歌でたくさん仕事がもらえないなら、意味がない、歌の仕事から足を洗う者
その人生は様々

ダーレン・ラブって父親がCD持ってたなぁ〜!確かに、抜群に歌上手いなこの人とは思ってた
自分が歌った音源を他の人の名義で出される、最上級の屈辱
どんなに悔しかっただろう

誰かと分け与える歌のことに全力を注いだ人生だったから、それ以外のことも頭をよぎる。でも、自分にはやっぱり歌しかなくて、歌ってる時が何よりも楽しそう、リサ・フィッシャー
ちょっと大仏チックになってて、若い頃とはすごいギャップ…!でも今は心なしか表情が穏やか。肩肘張りまくってたであろう若い頃は、顔つきも結構キツかったように思う
スティングのライブコーラスなんて、鳥肌…!!

そういえば、MJの隣にいたなぁアフロの若いお姉さん!ジュディス・ヒル
歌声がMJに似てるんだよな
今すぐ売れたい!訳ではない堅実派。そうだよね、とんでもない数の修羅場を潜り抜けてきたお姉さん達と経験積んだ方が、歌に深みと奥行きが増す気がするの。

彼女たちの、特殊で不運な立場と運命そしてその魅力を、スティービーワンダーやBスプリングスティーン、スティング、ミックジャガーが真心込めて語ってくれる。
表に立つ男性が、裏を支える女性たちを今度は裏からサポートする、の図

正直、ドキュメンタリーのテンポとしては微妙。スター級のバックコーラスシンガー達の人生が入り乱れているので、それぞれにストーリーを章立てて見せてくれたらスッキリしたのでは、と。歌に引き込まれたのにテンポが悪く感じてしまい、3回に分けて鑑賞。

それでもやはり歌の力は凄い。
もしかしたら作為的なところもあるかもしれないが、全員黒人。
流れる血が、育つ環境が、歌の基礎を作るんだろうなぁ。レベルが違いすぎました。
一人一人がバケモノみたいに歌が上手いのに、ソロになっても売れる訳ではないなんて。諸行無常だなぁ。

人前で歌うのは苦手だけど、合唱とかコーラスは好きだから、他の人の旋律とカチッとハマった時の快感は、わかる気がする。

♪Gimme Shelterのあの超イカす女性コーラスの謎が解けたから、満足ではある。
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